「獲物の分け前 La Curée (1966)」。

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獲物の分け前
(原題:La Curée ロジェ・ヴァディム監督、1966年、仏・伊)

【獲物の分け前】



ゾラの翻案だった。

若く美しいルネは実業家のサッカールと結婚。
実家の莫大な遺産を相続していたが、家族から逃れたかったルネ。
傾きつつあった事業のために金を必要としていたサッカール。
20歳もの年齢のひらきと、心の距離があり、ふたりは愛し合っていたわけではなかった。
ルネはサッカールと彼の先妻とのあいだの息子・マクシムと愛し合うようになる。
マクシムへの思いが募ったルネは夫に離婚を切り出すが。


わたしはヘンリー・フォンダが好きであり、
その娘さんであるジェーンのことも大好きである。

本作の彼女ももう きれいできれいで まったく ほんと 手の施しようがなかった。

【ジェーン】


が、大好きなジェーンが演じているということが、 
映画を観ている間は頭からすっかり消え去っていた。

ルネの頭の悪さ、おろかさに、イライラさせられどおしであった。
狡猾で世間をしっているサッカールの手のひらの上
コロコロコロコロ転がされちゃってまったくもう。
アホだこの人は。後先考えずに 不利な条件をのんでしまった上に・・・

サッカールはあまり感情を表にださないキャラクターで、
息子が自分の妻を奪ったことを知っても、そんなに感情を乱されたようには見えなかったのだが、
ルネが離婚を切り出してからのサッカールのやり口をみていると、
おそらく この映画にでてくるすべてのキャラクターの中で
彼こそもっとも 激しい感情につきうごかされたんだろうなと 思わされた。
ただ、ルネを愛してはいなかったと思う。
持ち物をとられたので、プライドがものすごく傷ついたのだろう。
幼稚な人物だなあと、いまは思う。

マクシムは、ルネを愛していなかったわけじゃない。
ルネにささやいた愛の言葉もその時点では けっしてうそではなかったとおもう。
でもまだ自分の力で生きることはできないと わかっていたからなのか、
単純に おもいきったことをする勇気がなかったのか。
父に完全に 与してしまった。
ルネを裏切り堕落することにたいして、いっそちょっとした快感すらおぼえていただろうし、
罪悪感も後悔も ないんだろうなあ。

ルネの手元には、なんにも残らなかった。



最初の方は、あんまり共感できなかったんだけど、
(ルネがマクシムに夢中になる理由が自分にはわからなかった。)
ルネが財産よりもマクシムとの愛を選んだころから
なんだか加速度的におもしろくなってきた。

それに、性描写などに関してたぶん いまより規制が厳しかったからだろうが、
制約の中で工夫をこらしたらしい、いくつものシーンが
むしろとても美しく、観ていておもしろかった。

ラストシーンが壮絶。

ジェーンはきれいなだけじゃなくて 役者さんとしても力があるんだよなあ。



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