「麦の穂をゆらす風 The Wind That Shakes the Barley (2006)」。

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麦の穂をゆらす風
(原題:The Wind That Shakes the Barley ケネス・ロウチ監督、2006年、英・アイルランド)

【麦の穂をゆらす風】


ビデオテープで観た。
すごくよかった。

クリストファー・ノーラン監督の映画に、重要な脇役としてよく出てくるキリアン・マーフィーさんが、
本作では主役を演じていた。

この人の瞳の色はすごくきれいだな・・
クリストファー・ノーラン監督が「バットマン・ビギンズ」のときに、
「彼の瞳を撮りたいがために、スケアクロウがサングラスをはずすシーンを入れようと必死だった」
と語ったことは知っていたのだけど、いままではとくに、彼の眼を特別だと思ったことがなかった。
でも、本作では、つくづく、きれいだと感じた。
トパーズブルーのような、それよりはもうすこし暗いような、
透明感があって、明るいところでは彼をやさしそうに見せるし、
暗いところでもやわらかく、神秘的に光る。
この瞳の色はほんとに宝物だなあ!

麦の穂をゆらす風」はアイルランド独立戦争と、英愛条約締結後にアイルランドでおこった内戦をめぐる、
若者たちの苦悩と悲しみ、人々の運命を描いた物語だった。

アイルランド独立戦争や英愛条約の歴史にものすごく詳しい日本人、なんて、
あんまりいないんじゃないかと思うし
わたしも、もしかしたら世界史の授業で習ったかもしれないがもうぜんっぜん覚えていない。
だがこの映画を観て、アイルランドの人々がひどい差別を受けたり、ごみのように殺されたこと、
戦争で英国側・アイルランド側ともに、非常に多くの人命が奪われたことを、知った。
北アイルランドに関してはいまにいたるまで問題が解決していない、ということも。
自分が興味をもっていなかったから知らなかっただけで、闘っている人は確実におり、
これは歴史ではなく現代のことでもあるんだとわかった。

映画は、二十歳にもならない息子を虐殺された、母親の悲嘆にはじまり、
愛する人を射殺された、若い女性の慟哭でおわった。
むごくはあったがすこしの希望を感じさせる結末だったのではないか。
というのも、息子を殺された母親は、さいしょから最後まで、なにひとつ表立った抵抗ができず
ただ周囲の状況に翻弄され、息子もにならず家まで奪われてもなすすべがない人だったのに対し
恋人を殺された女性は、アイルランド自由同盟に参加し、自分にできる抵抗をしようとしていた人
だったからだ。
新しい時代をつくっていこうという意志が、しっかりと受け継がれていることをしめす、
結末だったようにおもう。

キリアン・マーフィーさんの演技が胸に迫った・・
最後のシーンなんか、よくあれほどの・・、と思った。


一見の価値あり!









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