「ジャンゴ 繋がれざる者 Django Unchained (2012)」。

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ジャンゴ 繋がれざる者」
(原題:Django Unchained クエンティン・タランティーノ監督、2012年、米)

【ジャンゴ 繋がれざる者】


観てきた。

エンターテインメント!!!!!

魅力的。

そして、魅力的だったと思ってしまったことがちょっと恥ずかしい。
一種のうしろめたさをともなう快感をよこしてくる、映画だった。

タランティーノ監督らしいとか、らしくないとかが、わかるほど、
この監督の映画を観てきたわけではないが、

すくなくとも本作からは
たいへん強い「こだわり」を感じた。そのこだわり、偏執狂レベル!!

監督は「そんなことないよ!」と言うかもしれないが、
観る方にどう思われようが、そんなことはけっこう、二の次だったんじゃないかな。

誰よりも監督自身が、この映画を作りたくてしょうがなかったんだろう
やりたかったのだ。こういうのが好きで好きでどうしようもないのだ。
仕事していて、きっと監督がいちばん楽しかったと思う。

やっぱり、誰よりも、作り手こそが楽しんで、やりたいことをやったほうがいいのだろう。
そのほうがこう・・・ 笑っている人を見ると、おかしくもないのに笑えてくるのと似て
作り手の楽しんでいる気持ちが伝わってくるので、こちらもよけいに楽しくなる気がする。

他人のわたしが観てもおもしろいと感じたり、よくできているなあと感じたのは、
べつに、観る者が楽しめるように、わかるようにと配慮されたからではない。

監督がやりたい展開にもっていくために、
そこに至るプロセスをことさら丁寧に執拗に作りこむ必要があり、
それを遂行した結果たまたま「わかりやすく」出来上がった、
というかんじかとおもう。

本作の大枠の印象をかんたんにいえば
「溜めて・根回しして・溜めて・根回しして・溜めて・根回しして・ガマンしてガマンして
ガマンしてガマンしてガマンしてさらにガマンして最後にドーーーーーーン!!!!!!!!の
さらにド~ーーーーーーン!!!!!!!!!バーカバーーカ!!!!!」
というかんじであった。

周到かつ緻密にはりめぐらされた、導火線が
徐々に熱を帯びていくのを感じるときの、背徳的な快感。

しかもものすごく大したものを長時間にわたって観たかんじが残るにも関わらず
物語の7割か8割くらいは「内容があるようでぜんぜんない」部分でできていた。

どうでもいいことを どうでもよくないかのようにみせるのがうまいのかなあ。
でも観ちゃう。 映画の世界に、完全に跳べてしまう。

もしこういうかんじこそが、タランティーノ作品の「らしさ」なのだとしたら、
1本でもこの人の映画を観てしまったら、もうやめられないだろう。

話の進め方がとてもよくできていて、キャラクターひとりひとりの行動の理由が
無理なく理解できたのも、よかった。

レオナルド・ディカプリオさんの悪者っぷりは、かなりいい線いっていた。
なにしろ本人が、とても楽しそうにやっていた。
これを機に、イカレた悪い奴の役を、もっとやっていってほしい。

女性キャラクターたちが、誰もかれもみんな頭が悪いというか、
「愛玩物」以上の役割を、意図的に奪われていた。
女性の権利を主張する団体とかからは非難されるだろうなと思ったほどだったが
このようになったわけも、観ていると、わからなくもなかった。

終盤、ジャンゴが自分をもっていった状況が、
ある意味でシュルツとの出会いのときの状況と似ていて、
ジャンゴも、シュルツみたいにするのかなあと思ったのだが(それは「お約束」でもある。)、
ジャンゴにとって重要なのは、あくまでも「自分のこと」であった。
この点がジャンゴの個性を強調するとともに ちょっとした「抜き」の効果を出して、
映画をしつこすぎない仕上がりにもっていったように思う。

すでに救いようもなくコッテリなので、あんまり意味なかったかもしれないが・・・。


映画は、おもしろくあってほしい。
おもしろくなければ、どんなにお金がかかっていても、真摯な姿勢で作られていても
悲壮なメッセージがこめられていても、
わたしにとってはなんの意味もない。

2時間ないし3時間、「夢中になれる」ことが、おもしろいということ。

「なんでこの映画を観ているんだっけ」とか、観ている最中に一瞬でも思わされたら
その映画はわたしにとっておもしろいものではない。

ジャンゴ」は夢中で観られた。だから最高!!

みなさんもご自分の人生の3時間を、この映画にいさぎよくぶんなげてきてください(^_-)

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